瞑想への誘い… [美術館めぐり & おいしいもの]
瞑想の世界への入り口です…
一年ぶりの川村美術館http://in-the-moonlight.blog.so-net.ne.jp/2008-05-05
このときはマティスとボナールでしたが、
今回のお目当ては これとあれ。
今回のお目当ては これとあれ。
マーク・ロスコ（1903~1970）は「深い精神性を持つ」と高く評価される
抽象表現主義の巨匠だそうですが、わたしは昨年川村で対面するまで
まったく知らない作家でした。
ロスコは1940年代末から大画面をいくつかの長方形に区切った独特のスタイルを
描くようになり、その微妙な色遣いと光をはらんだ色面で醸し出す
抒情的な画風で注目を浴びます。
ロスコは1940年代末から大画面をいくつかの長方形に区切った独特のスタイルを
描くようになり、その微妙な色遣いと光をはらんだ色面で醸し出す
抒情的な画風で注目を浴びます。
今回の展覧会はロスコの連作「シーグラム壁画」がメインとなります。
この壁画の誕生とその後辿る道はかなりドラマティックなので、つたない解説を…
この壁画の誕生とその後辿る道はかなりドラマティックなので、つたない解説を…
独特の静けさ、余韻をもつロスコの作品であるがゆえに
しだいにロスコは自分だけの空間で自らの作品を発表したいと
思うようになります。
そんなロスコに1958年、願ってもいない話が舞い込みます。
NYのシーグラムビルに開店する高級レストラン「フォー・シーズンズ」の
壁面を飾る作品の依頼でした。
張り切ったロスコですが、最終的にレストランの壁を作品が飾ることなく、
このプロジェクトから離脱し、「シーグラム壁画」と呼ばれる30点の作品は
行き場を失うことになります。
そしてロンドンの美術館「テート・モダン」はロスコと長い交渉の末、
ロスコ専用の部屋を作るということで、9枚の壁画の寄贈を受けます。
（その完成を見ることなく、ロスコは亡くなってしまうのですが…）
また、7枚は川村美術館の（アジアで唯一の）ロスコルームに、
残りはワシントンのナショナルギャラリーなどに寄贈されました。
今回の展覧会では川村の7枚に加え、テートから3枚、ナショナル・ギャラリーから5枚、
計15点が一堂に会し、作品数も展示方法もこれまでにないロスコルームを作っています。
常設の川村のロスコルームは照明をかなり落とした
暗く閉ざされたイメージの部屋に展示されていますが、
今回は自然光も取り入れた大きく明るい展示室に掲げられています。
大きなものは2ｍ四方にもなる作品なので、それが連なる様はまさに壁です。
圧倒的な存在感で観る者に迫ってきます。
中央のソファに腰掛け、ゆっくり四方を眺めてロスコの世界に身をゆだねていると
心地よい充足感に満たされてきます。
展示方法は、もともとのロスコの構想に忠実に再現されています。
レストランで食事をする場所に掲げるためのものだったので
椅子に座ったときに人の頭で隠れないようにと、見上げる位置に配置してあり
絵と絵の間もせまく、つなぎ合わせるようにしてあります。
不思議なのは 普段は閲覧の妨げになるからなるべくならひとりで観たいと思うのに、
この壁画に関してはその人たちまでもが、絵になるんですよね。
こういう感覚、初めてかも。 ロスコのねらいもその辺にあったのかなぁと思ったり…
最近の美術展には音声ガイドの貸出をするところも多いですが、
このロスコ展ではそれも必須です！
クラシック好きのロスコが好んで聴いていた曲が収録されています。
それを聴きながらぐるりと見渡すとまた違うイメージで迫ってくるのです。
ロスコ展のほか、常設の作品や美しく輝くニューマン・ルームなど魅力的な部屋が
あるので、あちこち閲覧してはまたロスコに戻る…ということ4、5回繰り返し
そのたびにまた違う顔を見せる壁画にすっかりはまってしまいました。
また「シーグラム壁画」の他にも1964年制作した連作「黒い絵」のうち
4点が飾られた小さな空間もあります。
それがまたいいんですよ～
一見すると、真黒に塗られた大きなキャンバスが4枚並んでるだけにしか
思えないのだけど、しばらく見つめていると見えてくるんです！
黒の色の違いとそこに描かれている矩形が…
漆黒、濃紫、焦げ茶など、かぎりなく黒に近い色の世界に身を置くと
和の世界..... わび、さび、茶室、竹林などなど
そんな世界が広がってきて おだやかな気持ちになってきて、
癒されました。
ロスコ展、6/7まで
さ～て まだまだここからは もう一つの本番です♪
ランチは併設の「ベルヴェデーレ」で。
チキンのランチセットと本日の魚のセット ともに自家製生ハムの前菜が付きます。
チキンは一見するとただのローストチキンなんですけど、
ソースが抜群なんです。 この風味はなんだろう？って
いろいろ推理するもの楽しかったです。 パンも美味しかったので追加してしまいました♪
ここに来たら 日本画展示室の奥の扉の中に
隠れるようにしてある秘密の？茶席もかかせません。
目の前に白鳥が泳ぐ大きな池と濃い緑が広がり くつろげます。
ここは 一日いても 飽きないわたしのワンダーランド♪
この日も5時間もいたのに、花が咲きそろう広い庭園には
足を運べず、残念でした。 また次回？にね。
この風景に見覚え有り(^_^)。
名古屋には間違ってもない空間です。
緑の中で芸術に親しんで、オシャレなランチを
食し、抹茶で仕上げですか。。。
セレブな１日ですね~~。私には絶対無理そうです(^_^;)、、。
by ａｒａｎｊｕｅｓ (2009-05-24 23:29)
最近の美術館には音声ガイドがあるのですか？
私の行きつけの美術館にもひょっとして置いてあるのかな…。気になります。
（*＾_＾*）
それにしても、素敵な美術作品に、美味しそうなお料理。とっても贅沢なお時間を楽しまれたのですね〜！（●＾o＾●）
by はづき (2009-05-24 23:38)
バニラさんに、逢いたいです＾＾*
どんな感性してるんでしょうか？
かなり、惹かれます。
あ、人妻の私でごめんなんだけどね（笑
絵画は、多分何見ても初見です・・・＾＾；
でも、美術館に行くのは好き。
by nayusa (2009-05-25 01:11)
ステキな美術館ですね。
美術が苦手な私も、この庭園だけで満足できそうです。
お料理もとっても美味しそうだし、優雅な時間ですね。
by いずみ (2009-05-25 08:10)
1枚目の写真で川村美術館だ！とわかりました(^○^)
私もここは大好き♪
by hk (2009-05-25 21:28)
バニラさん、今年もいらしたんですね。そして今年もきれいな和菓子（笑）
ここのレストラン、眺めもよくてなかなかいいですよね。私は朝だったので、
モーニングを食べたんだけど、ランチ、おいしそうですね。
今回のロスコは、暗い部屋ではなく、明るい空間で見るんですか！
暗い部屋で見たので、ロスコ部屋＝瞑想の部屋のイメージがあるんですよ。
8枚も借りてきて、15点とは見ごたえがありそう。
ちょっと遠いけど、行く価値のある美術館ですよね。
by TaekoLovesParis (2009-05-25 22:50)
わー♡ ロケーションも洋画そのものですね。
最後の和菓子もアートです～
一日ゆっくり綺麗なもの見てなごんで美味しいもの食べて♪
血液が入れ替わるような気分が味わえるかも？！いいなぁ～
by にこちゃん (2009-05-26 00:01)
****
みなさま niceとコメントありがとうございます
ロスコを観にいったのは 5月の初めで感動したので皆さんにも
ぜひ足を運んで欲しいと思っていたのに、なかなかまとめられず
そのうち終わってしまうんじゃないかと 我ながら気が気ではありませんでし
た。 でもどうにか間に合ってホッとしています♪
***** **
◆ａｒａｎｊｕｅｓ さま
名古屋方面にもすてきな美術館 ありませんか？
きっとあると思うんだけどなぁ。 美味しいもの食べて、
目にもごちそうあげて いい一日でした♪
◇はづきさま
音声ガイドは普段あまり活用しないんです。
ガイドに頼ると自分の感性に余計な判断が入ってくるようで、
まずは自力で絵と向き合いたなぁと思うわたしです。
でも 今回はロスコの息子さんが監修した音楽が入っていたので
迷わず借りました。
◆nayusaさま
ふふぅ～ ♪ わたしもnayusaさんに自分に近い香りを感じてます♪
◇いずみさま
お庭がまた、とってもいいの！
去年は桜の季節だったのだけど、夢のように美しい世界にうっとりでした♪
◆ｈｋさま
いいですよね～！ 川村、ちょっと遠いのが難なのですが、でも大好き♪
◇Taekoさま
今度は紅葉の時期にしようかなぁ～
一日いても飽きなくて、大好きな場所です。
もう少し行きやすいところにあればもっといいのでしょうが、
でも今度は混みだすかな、と思ったり…
◆にこちゃんさま
サイロみたいな建物ですよね。
明と暗がくっきりとわかれる美術館だなぁと 思います。
暗く落ち着いた部屋と 明るくて開放的な部屋があって、
どちらにも部屋に入ったときの驚きの感動が待っている、そんなところです。
by バニラ (2009-05-26 23:34)
あ～、ここもバニラさんのお話読んでから、ず～っと行きたい場所の１つなんですが相変わらず行けないでいます。レストランのクロスも若草色で、窓の外と気持ちの良いアンサンブルになってますね。緑がとてもよく映える美術館なので、訪れるには新緑のこの時期が一番良さそうなのになぁ。
それにしてもバニラさんは守備範囲が広いですね。現代アートや抽象画もご覧になる。僕には抽象画はどうにも難しくって、絵の前で「何かを感じなくっちゃ！」って必死に考えちゃうので観た後でドッと疲れちゃいます（＾＾；。
by yk2 (2009-05-27 23:46)
生ハムがすっごく美味しそう！
あの塩加減がいいですよねぇ。
なぜかNice! が押せないんです。
反映しない、というか...
なんでだろう？ またおじゃまします！
by きぃ* (2009-05-28 10:30)
いいなぁ～憧れます・・・！
大学の免許取得の関係で美術館にはよく行くのですが、
地元の美術館にくる特別展も限られているので・・・
もっと色々なジャンルの鑑賞もしたいのですが・・・なかなか＾＾；
そしてなにより、併設のお食事どころが・・・素敵!!!笑
by てんとら (2009-05-29 17:38)
こんにちは、バニラ師匠！
先日はわざわざのお運びありがとうございました<(_ _)>
美術館や博物館の音声ガイド。
作家本人が好んで聴いていた曲が流れるとは！
いいですね～～～そういうの
美術館は、なかなかフツーのヒト（というと語弊がある？）が
足を運びづらかったりしますものね。
ナゼでしょう…？
やっぱり、「オカタイ」イメージがあるからですかネェ？
こういった、作品の説明だけではない方法で
作家を紹介する音声ガイドが増えれば、
もっと垣根が低くなるかもですね。。。
またお伺いしま～す（平伏）
by 小澤とも (2009-05-30 12:33)
素敵な空間と、バニラさんの開設でまるでもう訪れたかのよう。
以前もこちらでみて、行きたいとおもいつつ、まだいけてません
併設レストランがあるのも魅力、そして茶席まで、、
完璧っす。
絶対いくぞぉ～ でもちと遠いですよね、、
by あじゃ (2009-05-30 19:04)
ステキな美術館ですね。
記事をじっくり読みました。
ロスコ、初めてです。でも、間違いなく気に入りました。
気に入るって言い方は、ちょっと傲慢な言い方かもしれないけど、
そう、一目惚れしました。わたしの好きな絵です。（笑）
茶席とは!? わたしにはサプライズです。
HPさっそくチェックしました。遠いけどね、ガンバッテみようかな。
by berry (2009-06-01 17:27)
◆ｙｋ２さま
ぜひぜひ 足をお運びください！ 広くて見ごたえあります！
美と美味がセットになってるのも魅力的です♪
◇きぃさま
生ハムってどうしてあんなにおいしいんでしょうね。 わたしも大好きです♪
わたしもこの間、niceが押せなくて ひと苦労しました。
時々、へそを曲げるのかなぁ、ソネブロちゃんは。
◆てんとらさま
お気に入りの美術館が増えていくのは楽しいものです。
でも行きたいところが増えて、それが悩みの種だったりもする～
なぜかすてきな美術館にはいいレストランがもれなく付いてくるのです…
◇小澤ともさま
さっそく、ありがとうございます♪
こんな食べることは欠かさないブログですが、どうぞよろしくお願いします。
そうそう、美術館も音楽会もやっぱり敷居が高いのかなぁ。
固く考えずに 足を運んで欲しいなぁ。
◆あじゃさま
あじゃさん好みだと思います♪ お茶までいただけるしね～
佐倉駅からシャトルバスもあるので、思い切って行ってみて！
◇berryさま
ちょっと（だいぶ？）遠いのが難点なんですよね。
でもガンバルだけの価値はありますよ、ぜひ♪
by バニラ (2009-06-01 22:12)
バニラさん、千葉方面に行くときは誘ってくださいよぉ～(笑)
ロスコ展＆美術館に興味深々
今週までみたいなので、時間作っていってきたいです♪
その後の茶席もほっこりしてていい感じですね♡
by sunny (2009-06-02 00:01)
素敵ですね。千葉ですか～。そんなところがあるのですね。
ロスコ、深い精神性・・・じっくりみてみたいです。
レストランも素敵ですね。
by duke (2009-06-03 13:43)
◇sunnyさま
そうですね！ 今度は千葉集合っていうのもいいかも～
結構洗練されたお店が突然現れたりするので、びっくりです。
◆dukeさま
まだまだ知らないいいところ、身近にもありそうです。
じっくり地元も歩いてみたいなぁと思っているこの頃。
by バニラ (2009-06-03 23:09)